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2020年08月17日

C-CorporationとLLC の違い

お客様からのお問い合わせが多かったご質問を IIO News Accounting Tax!にてご紹介していきたいと思います。
本日のご質問は、こちらです!

Q: 会社の設立を考えてます。C-CorporationとLLC の大きな違いは何ですか?

A: 会社を設立する際に、最初に決めないといけないのが会社の形態です。

まず、C-Corporationについてですが、イメージとしては、日本の株式会社のような一般的な企業形態の一つです。例えば、証券取引所に上場しているような大企業はすべてC-Corporationとなります。

そのメリットとしては、株主の人数に上限がなく株式を発行でき、各株主は事業から発生する債務に個人責任を負わない有限責任となります。更に投資家はC-Corporationへ投資することが多いため一般的に増資がしやすいです。

またデメリットは、会計処理が一般的には複雑だったり、二重課税になることです。二重とは、1つ目は配当金は経費ではないため法人を課せられる“法人税”と、2つ目は会社から株主へ払った配当金に対して株主の個人へ課せられる“所得税”です。

次に、LLC(Limited Liability Company)ですが、比較的新しい形態で、何人でも出資でき設立の簡便性から現在では幅広く利用されています。
出資者を株主ではなくMember(メンバー)と呼び、有限責任制により各メンバーが出資額を超えた責任を負うことはありません。利益の分配は出資額に関係なく決めることができます。一方、デメリットは、利益に対して個人事業主税(Self-Employment Tax)の支払いが発生する場合があります。

また、メンバーは原則一人一票の議決権を持って意思決定を行うため、経営面においてメンバー同士の対立は運営を滞らせるリスクもあります。
なお、株式がないため上場することが出来ません。上場する場合は、LLCからC-Corporationへ形態を変更する必要があります。

形態を変更することは可能ですが、変更にお金と時間がかかります。
会社設立をご検討される際には、それぞれのメリット・デメリットを理解し、設立の目的、将来の目的や方向性を定めてから形態を選ぶのをお勧めいたします。

二つの形態間で、一番気になる所得税での違いは課税方式です。

C-Corporationは会社として確定申告書を提出し法人税を納めますが、LLCは会社の確定申告書を提出するものの法人税は一般的には払いません。LLC法人の申告書にて、会社の利益をメンバーへ分配したSchedule K-1という書類をそれぞれのメンバーへ配布します。Schedule K-1を用いて、メンバーは個人の確定申告書にて会社の利益を申告し税金を納めます。州によってはLLCも、法人税も納めなくてはいけない場合もあります。

今までは、二重課税もなく、多くの場合は個人の税率の方が低かったため、税金面だけでみると、LLCのほうが会社の利益に対して収める税金が少なく得なように見えます。
しかし、トランプ大統領が税制改革法案(Tax Cuts And Jobs Act)により、2018年1月よりC-Corporationの連邦の税率が一律21%へ変更しました。

業種によっても、有利不利がありますので、不安の場合は、必ず設立前に、税務のことは会計事務所へ、リスクについては弁護士事務所へ確認することが、少し設立費はかかってしまいますが、一番ベストな形態を最初から選択することにより長期でみるとベネフィットの方が大きいです。

本日のQ&Aは、お役に立ちましたでしょうか?あくまでも一般的なアドバイスとなりますので、さらに詳しいアドバイスが必要な方はぜひ個別相談を受け付けております!
その他ご質問や取り上げてほしいトピックなどございましたらお気軽にお問い合わせください!

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