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2018年07月01日

資産

貸借対照表(Balance Sheet)は資産(Asset)負債(Liability)資本(Equity)という三つの要素から成り立っていると説明しましたが、今回はその資産について解説します。

資産(Assets)
資産は大きく流動資産(Current Asset)と固定資産(Fixed/Long-term Asset)に分類されます。

流動資産
流動性(Liquidity)の高い資産で、1年以内に現金化される予定のものを指します。

次に代表的な流動資産を紹介します。
・現金(Cash)
手許にある小口現金、銀行預金(CheckingやSavingなど)が含まれます。

・売掛金(Accounts Receivable)
商品・製品やサービスの提供に対して対価が支払われていない状況で、比較的支払期限の短いものを指します。

・在庫(Inventory)
商品(販売目的で外部から仕入れたもの)・製品(自ら製造したもの)・仕掛品(製造中のもの)・原材料(製造目的で外部から仕入れたもの)が含まれます。

・短期投資(Short-term Investments)
一年以内に売る予定の投資で、有価証券・オプション取引・通貨市場などを指します。

・前払費用(Prepaid Expenses)
商品やサービスに対しての前払金です。代表的なものは一年契約の保険で、1200ドルの保険を一括で前払いした場合、毎月100ドルずつ経費計上します。
流動資産の扱いはその企業の資金繰りに直結するので、その運用目的で財務部のような専門部署を設けている企業もあります。


固定資産
大きく分けて三つ、①長期投資(Long-term Investment)、②有形資産(Tangible Asset)、③無形資産(Intangible Asset)に分類されます。

①長期投資
有価証券などのみならず、不動産や他事業への投資も1年以上保有予定の場合ここに分類されます。

②有形資産
運営に当たり必要な建物・設備への投資です。下記のものが例としてあります。
・ 建物
・土地
・事務備品
・機械設備

③無形資産
実体のないものですが、企業が利益を生むために欠かせないものです。 下記のものが例としてあります。
・特許(Patent)
・著作権(Copyright)
・営業権(Goodwill)
・商標(Trademark)
資本化(Capitalize)
購入した設備や備品はその価値によって貸借対照表に載せるか損益計算書(Income Statement)に載せるか決められ、貸借対照表に載せることを”資産化”といいます。

例えば、1000ドル以上の投資は資本化し、それ未満は損益計算書に載せ一括で経費計上する、というように決めます。
それに加え、下記初期投資も資本化されます。
・購入時の値段
・運搬費用
・設置費用

例えば、1万ドルの冷凍庫を購入し送料が100ドル、店頭で使用するために1000ドルの温度計を追加で取り付けた場合、この冷凍庫の価値は1万1100ドル(1万ドル+100ドル+1000ドル)となります。
固定資産は長期間保有するので、その期間中に修理・修繕される可能性もあります。その場合、資本化される場合と経費計上される場合の二つ可能性があります。
その判断は、修理・修繕が固定資産の耐用年数を延長するかどうかで決まり、その修理費用は資本化され固定資産の価値に上乗せされます。
減価償却(Depreciation/Amortization)
有形資産の減価償却はDepreciation、無形資産の減価償却はAmortizationと呼ばれます。

減価償却とは固定資産を法律によって定められた使用可能期間(耐用年数)に分割して経費計上する方法です。
均等に経費計上する定額法(Straight-Line Method)や、初期償却率が高くなる加速償却法(Accelerated Method)などがあります。

有形資産の耐用年数は事務備品などは5-7年、居住賃貸物件は27.5年、オフィスビルは39年となっていますが、土地は減価償却されません。
それに対し無形資産の耐用年数は、特許や著作権はその有効期限に分けて、商標は10年ごとに更新しなければならず減価償却されません。減価償却は会計基準と税務で別管理します。

評価勘定(Contra Asset)
資本化された固定資産は耐用年数に分けて減価償却を取りますが、その分を減価償却累計額(Accumulated Depreciation/Amortization) という評価勘定によって調整しなければなりません。これによって、経費計上した減価償却分を固定資産から差し引きます。

一年以上使用した減価償却可能な固定資産を売却した場合、損益どちらの場合でも確定申告書に載せなければなりません。その額は、売値-(資産購入額-減価償却累計額)で計算されます。
利益が出た場合はキャピタルゲインとして低い税率が適用され、損失が出た場合は通常損失として通常利益やキャピタルゲインと相殺することができます。


ご質問などございましたら、 info@iiocpa.com までご連絡下さい。

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