住宅所有者向け!2026年から変わる住宅関連の控除
住宅所有者の皆さまへ
見落としていませんか?住宅関連の税務メリットを再確認しましょう!
2026年も後半に入り、年末の税務対策を考え始める時期となりました。
住宅を所有されている方にとって、住宅ローンや固定資産税は家計に大きな影響を与える支出です。一方で、税務上の優遇措置を適切に活用することで、税負担を軽減できる可能性があります。
今回は、IRSが今年5月に公表した住宅所有者向けのTax Tip(Tax Tip 2026-42)の内容に加え、2025年7月に成立した税制改正法(One Big Beautiful Bill Act)による2026年からの変更点をご紹介します。
まず確認!
住宅関連の控除は「項目別控除」を選ぶ方が対象です
固定資産税や住宅ローン利息の控除は、Schedule Aで項目別控除(Itemized Deduction)を選択した場合にのみ適用されます。
2026年の標準控除額は独身で$16,100、夫婦合算申告で$32,200です。住宅関連の支出やその他の控除項目の合計がこの金額を超えない場合は、標準控除を選ぶ方が有利になります。
項目別控除で控除できる主な費用
・固定資産税(State and Local Real Estate Taxes)
州・地方税(SALT)の控除上限の範囲内で控除できます。
・住宅ローン利息(Mortgage Interest)
借入元本$750,000まで(夫婦個別申告は$375,000まで)の利息が対象です。この上限は2026年以降も恒久的に適用されます。
・住宅ローン保険料(Mortgage Insurance Premium / PMI)
2026年から復活しました。詳しくは次のセクションをご覧ください。
2026年からの重要な変更点
州・地方税(SALT)控除の上限が大幅に引き上げ
固定資産税や州所得税などの合計に対する控除上限が、従来の$10,000から2025年は$40,000、2026年は$40,400に引き上げられました(夫婦個別申告はその半額)。固定資産税の高い州にお住まいの方や、州所得税の負担が大きい方は、これまで標準控除を選んでいた場合でも項目別控除が有利になる可能性があります。
なお、修正総所得(MAGI)が$505,000(2026年)を超える方は上限が段階的に縮小し、最低$10,000まで下がります。
住宅ローン保険料(PMI)控除の復活・恒久化
2021年分を最後に失効していた住宅ローン保険料の控除が、2026年分(2027年に申告する分)から恒久的に復活しました。対象となる保険料は住宅ローン利息と同様にSchedule Aで控除できます。
ただし、AGIが$100,000(夫婦個別申告は$50,000)を超えると控除額が段階的に減少し、$109,000(同$54,500)で控除はゼロになります。所得制限があるため、該当するかどうかは事前に確認をお勧めします。
支払額は翌年1月末までに届くForm 1098のBox 5に記載されます。
住宅の省エネ関連クレジットは2025年で終了
断熱材・高効率設備などのEnergy Efficient Home Improvement Creditと、太陽光発電などのResidential Clean Energy Creditは、2025年12月31日をもって終了しました。2026年に設置・支払いをした分は対象外となりますのでご注意ください。
控除対象とならない主な費用
・住宅保険(火災保険・総合保険)
・Title Insurance(権原保険)
・ローン元本の返済部分
・HOA費用・コンドミニアム管理費
・光熱費(ガス・電気・水道)
・インターネット・Wi-Fi費用
・一般的な修繕費
・購入時の諸費用(Closing Cost)の大半
Mortgage Interest Credit も要チェック
州または地方自治体が発行するMortgage Credit Certificate(MCC)をお持ちの方は、支払った住宅ローン利息の一部を税額控除(Mortgage Interest Credit)として毎年申請できる可能性があります。項目別控除を選ばない方でも利用できる制度です。
日本に不動産をお持ちの方へ
日本など米国外の不動産にかかる固定資産税は、Schedule Aでは控除できません(2018年以降の取り扱いが2026年以降も恒久化されています)。一方、米国外の住宅に対する住宅ローン利息は、要件を満たせばセカンドホームとして控除対象になる場合があります。賃貸に出している場合は、別途Schedule Eでの申告が必要です。
IIO CPAからのワンポイントアドバイス
以下に該当する方は、一度住宅関連控除の見直しをお勧めします。
・SALT上限の引き上げで、標準控除と項目別控除のどちらが有利か変わる可能性のある方
・住宅ローン保険料(PMI)を支払っていて、AGIが$100,000前後の方
・住宅ローンを借り換えた方
・固定資産税が増加した方
・複数州で不動産を所有している方
・海外に不動産を所有している方
・自宅の一部を事業利用している方
・毎年同じ申告方法を続けている方
また、Form 1098、固定資産税の支払明細、住宅ローン保険料の支払明細などは日頃から保管しておきましょう。住宅関連の税務ルールは個々の状況によって異なります。不明な点がございましたら、お気軽に相談ください。

