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2019年04月15日

グリーンカード保有者の確定申告

グリーンカード保有者の確定申告

アメリカに居住していなくても、税法上で居住者として扱われる場合、アメリカで確定申告を提出する必要があります。居住者として扱われるケースはいくつかありますが、今回はその中でも代表的なグリーンカード、つまり永住権を持っている方について解説したいと思います。

永住権を所有している方はアメリカに居住していなくても税法で居住者として扱われ、全世界所得を申告しなければなりません。しかし、以下のような特別な場合、申告する必要がありません。

1.国から永住権を取り消された場合
2.全世界所得が税法が定める最低額以下の場合
3.居住ステータスが租税条約によって非居住者となる場合

これらの条件外で確定申告の提出を怠った場合、永住権に悪影響を与えることがあります。


確定申告

永住権保持者はどのような条件下でも居住者として全世界所得を毎年4月15日の確定申告締切日までに提出しなければなりません。 そして、アメリカで申告する海外所得は、実際に居住している国でも申告しなければならないので、その海外所得は二重課税されることになります(アメリカと租税条約を結んでいる場合は例外となります)。

例えば、メキシコ居住の方はメキシコでの所得に対する税金をメキシコに納めなければなりません。アメリカの永住権を保持している場合、それに加えアメリカでもメキシコの所得に対して税金を納めなければなりません。 しかし、ある条件を満たすと確定申告時に海外所得を除けるForeign Earned income exclusionや、海外で支払った税金のForeign Tax Creditを取れる可能性があります。


Foreign Earned Income Exclusion (海外所得除外)

Form2555を用いて申告します。特定の条件下において、アメリカ以外での所得のうち一定額を、総所得から除外することができます。そのためには、

・アメリカ以外の国の居住者である
・連続した12ヶ月間のうち、330日以上アメリカ国外に滞在していた

という条件のどちらかを満たし、

・主に海外でビジネスをしている

という条件を満たしている必要があります。



Foreign Tax Credit (海外税クレジット)

Form1116を用いて申告し、アメリカ以外で納めた税金をクレジットとして取れ、海外所得の二重課税を避けることができます。一般的に海外所得除外と海外税クレジットを同時に使うことはできません。海外税は海外所得に対して支払うので、両者は二つで一つのものと考えられるからです。両者を一つの確定申告に載せることは、二重取り(Double Dipping)と呼ばれ、禁止されています。しかし、ある条件下では両方を使うことも可能です。


Expatriate Tax

もし何かの理由で永住権を放棄する場合、国籍離脱税と呼ばれる税金がかかる可能性があり、Form8854を記入する必要があります。 この税金は、永住権を保持していた期間が短期(8年未満)か長期(8年以上)かによって変わります。短期の場合は申告の必要がありませんが、長期の場合は申告しなければなりません。この申告は非常に重要で、申告を怠ると1万ドルという大きなペナルティを科される可能性があります。


租税条約

アメリカが結ぶ租税条約は、それを結んだ国によって内容が異なっているので、逐次確認することが重要です。

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